鎌倉三十三観音霊場巡礼記−6

第三十一番〜第三十三番



 第三十一番 金宝山 浄智寺(臨済宗円覚寺派) 聖観世音      

 

 

 浄智寺の参道。左に見える池のそばに鎌倉十井のひとつ、甘露の井があります。  総門です。北条時頼の三男・宗政の妻が、若くして亡くなった夫と幼少の息子・師時を開基として建てられたのが浄智寺です。開山は中国の僧2人を含めた3人が名を連ねていますが、実質はその中の南州宏海(日本僧)だそうです。鎌倉五山第4位として、伽藍から塔頭がそろっていましたが江戸期からさびれ始めたそうです。(とはいえ、江戸後期でもかなりの建物があったとされています)。

 

 

 石段はまだ続きます  小さいですが2階建ての楼門です。このあとは順路表示にしたがって進みます。

 

 

 曇華殿(仏殿)です。古そうに見えますが、浄智寺の建物は火災などを経て、関東大震災ですべて倒壊した後に建てられたものだそうです。  仏殿に奉安されている諸仏。拝みたくなるオーラを感じます。

 

 

 仏殿裏側にまつられている札所ご本尊。間近で拝めるのがうれしいです。  仏殿裏から茅葺の庫裡をながめます。   

 

 

 浄智寺の墓地(山の傾斜地でかなり高台まで続いている)の手前を抜けると、やぐらがあります。竹やぶの中に狸(の置物)が。やぐらのように小さく横穴があいてます。ここは浄智寺の裏山から出てきて交通事故にあったりした狸やハクビシンのお墓だそうです。狸塚です。お寺の方の優しさを感じます。  順路にしたがって進むと、鎌倉江ノ島七福神の布袋尊がまつられてました。おなかをなでると元気が出るというのでなでてみました。…十分、元気なんですけどね。
 
 順路の終わりで庫裡に出ます。玄関を入ると受付がありますので納経、印は多種あるので「鎌倉三十三観音で」とお願いします。受付で売られていた本を見て、こちらのご住職が元TBSのプロデューサーだったという異色の方だったことを思い出しました。
 納経:300円 拝観料:200円 お賽銭:20円(本堂・札所) 2008年7月18日(金)
      
 第三十二番 松岡山 東慶寺(臨済宗円覚寺派) 聖観世音   

 

 

 かけこみ寺として有名な東慶寺です。松ヶ岡御所として縁切り寺の機能を果たしていた頃はこの先の門を目指してひたすら走ってきた女性が沢山いたのですね。  江戸からは13里。多摩川をこえたところからでも9里。追っ手につかまりそうなら逃げてきて、石段(下)から簪でも草履でも身につけているものを門内へ投げ込めば駆込みが成立。 門を見ると、かんざしやぞうりを投げ込む時代劇のシーンを思い出します。

 

 

 鐘楼です。春に訪れた時は梅が咲いていました。  泰平堂(本堂)への門。東慶寺の開山は北条時宗夫人。鎌倉時代も江戸時代も勅許(に等しい)を得て、歴代名門の息女が住持となって縁切法を通し、明治に至るまで男子禁制の尼寺として沢山の女性を助け続けました。

 

 

 泰平堂(本堂)の手前にはナデシコが沢山咲いていました。墓地には有名な方のお墓が多くあり、まわることができます。そちらにもいろいろなお花が咲いていますが、にわか雨がふってきたので春に続いて本日も回らずでした。  ご本尊は釈迦如来坐像。両脇には開山覚山尼像と第五世住持用堂尼像。用堂尼は後醍醐天皇の娘で大塔宮護良親王の姉です。

 

  

 観光客には閉ざされている門を入り、玄関にて納経。納経印を待つ間、振り返ってながめてました。  札所本尊の聖観世音は本堂ではなく、宝物館にまつられています。春に来たときには拝観しましたが、宝物館は平日休み。今日はおまいりできないまま、納経いたしました。札所ご本尊は鎌倉尼五山第一位だった太平寺(廃寺)のご本尊だったそうです。水月堂に奉安されている水月観音はGW頃に特別展示があったのですが、通常拝観はできません。写真の観音さまは本日購入した絵葉書の写真です。どちらも美しいお姿ですね。

 

 

 鈴木大拙師が創設した松ヶ岡文庫の入口です。門の奥、山の上のほうに建物があるようです。大拙師は96歳でなくなる前日までこちらでお仕事をされていたとか。  お庭をすすむと宝蔵前にお釈迦様。宝蔵にはご本尊でもある聖観音菩薩立像や、第二十世住持・天秀尼(豊臣秀頼の娘で千姫の孫)の所持品の数々。百人一首がなかなかステキです。蒔絵の品々も螺鈿が施されていたりときれいなものが展示されています。どれも女性的な品々で、さすがに歴史ある尼寺の所蔵品という感じでした。ぽち的イチオシは、禅忠という方が描いた「坐禅」絵巻。干支の動物をはじめ、幽霊やらいろんなものが坐禅している可愛らしい絵が描かれている巻物です。
  
 開山の潮音院覚山志道尼は北条時宗公夫人で、夫の死後、開山国師(無学祖元禅師)について得度しました。格式のある尼寺で、特に天秀尼が徳川家康に縁切寺法の存続を聞き届けてもらったことから、力のある縁切りの尼寺として揺るぐことなく続くことができたようです。墓地には覚山尼・用堂尼・天秀尼、西田幾多郎、高見順、鈴木大拙夫婦などのお墓があります。境内は梅の時期に混雑します。

 納経は本堂と受付の間にある門をくぐって玄関で。
 拝観料:100円 納経:300円 お賽銭:10円 2008年5月26日(月)
     
 第三十三番 瑞鹿山 円覚寺・仏日庵(臨済宗円覚寺派) 十一面観世音        

 

 

 円覚寺の参道は北鎌倉駅の円覚寺側道路から始まるのではありません。線路向こうのバス通り側から始まります。白鷺池(びゃくろち)を見て線路(踏切)やお寺前の道をこえます。仏日庵で売っている破魔矢を買うにはこの参道の始まりから進むようにと、仏日庵ホームページに書かれていました。  円覚寺(大円覚興聖禅寺)は1282年、北条時宗によって、中国の僧・無学祖元(仏光国師)を開山として建立されました。

 

 

 総門をくぐると入口受付、拝観料を払います。額にある瑞鹿山の山号は円覚寺落慶開堂の日に境内の洞窟から白鹿の一群が現れたという奇瑞に因るそうです。そして円覚寺の寺名の由来は創建の折、地中から石櫃におさめられた円覚経が出土したことに因るそうです。  山門です。

 山門の先に仏殿があります。歩くにつれて緑の中から仏殿が姿を現します。ぽちのお気に入り風景です。  仏殿のご本尊、宝冠釈迦如来。華厳の盧遮那仏とも称されるそうです。16世紀の大火で頭部だけは救出され、躯体が修復されて今に至ります。天井に白龍の図があります。
 暁天坐禅会はこの中で行われますが、通常は中には入れません。ご本尊にまずおまいりしました。

 仏殿に向かって左手にある選仏場。選仏場とは字のままに仏を選び出す堂宇ですが、元の坐禅場だそうです。茅葺ですてきな建物です。総門から選仏場までの並びには、閻魔堂(弓道場があります)や松嶺院などの塔頭もあります。  選仏場のとなりにある居士林。禅を志す在家のための坐禅道場で土曜日に坐禅会が開かれています。(土日宿泊もあり)。建物は柳生流の剣道場を移築したものだそうです。

 

 

 居士林から妙香池を経て国宝舎利殿へ。鎌倉尼五山第一位の太平寺(廃寺)の仏殿を移築したものだそうです。舎利は源実朝が鎌倉の大慈寺(廃寺)に安置したお釈迦様の歯で、舎利信仰に篤かった円覚寺第二世住持の時に、一族一門の守護を願って北条貞時が遷祀したとか。通常は門から入れませんが、元日と宝物風入の日は開門されて近くまで行けます。(宝物風入の記事参照http://tottokocubtaro.seesaa.net/article/64756518.html  いよいよ、鎌倉三十三観音第三十三番札所・仏日庵です。ここは入口ですが、並びに開基廟が外から見られる門があります。

 

 

 観光なら、こちらから中に入らなくても開基廟を拝めます。開基廟には開基である北条時宗と貞時・高時が祀られています。時宗は円覚寺建立の2年後に亡くなり、開基廟はその後、建立されていますが、現在の開基廟は1811年に改築されたものだそうです。お堂の下には各遺骨が納められた石櫃があるとか。
 仏日庵境内は撮影禁止です。拝観料は100円、お抹茶・お菓子つきというのもあってそちらは500円。境内に野点ふうの赤い毛氈をかけた床几がならんでいるのでお茶をいただくのもいいかも。

 拝観料を払うとしおりとお線香1本を手渡されるので、お線香を開基廟前にたて、おまいりします。茅葺屋根の開基廟(写真は門の外から撮りました)。
 
 札所本尊である十一面観世音は開基廟の左の建物に奉安されています。時宗が蒙古軍(元寇)など国難に対処する心構えを得る為に禅の修業をした時、信仰していた観音さまが現存する札所本尊だそうです。時宗がその修行のために小さな庵を結んでいたのが廟所の位置になります。

 お堂の中には入れませんが、しっかり般若心経を唱えました。

  

  

 鎌倉三十三観音結願いたしました。となりは第1番でいただいた発願印。すべて順打ち(順番どおり巡る)しました。発願印(1番)と結願印(33番)は、最初と最後の順番を守らないといただけません。  仏日庵を出ると白鹿洞が見えます。山号の由来にある白い鹿の一群があらわれたという洞窟です。

 

 

 18の塔頭の中で境内最奥にある黄梅院です。時宗の妻・覚山尼が夫の菩提を弔う為に立てた華厳塔のあった地に足利氏が夢窓疎石の塔所として建立、足利2代将軍の分骨もされています。聖観世音菩薩におまいり。  山をくだってきて、方丈にある百観音へ。(方丈は山門から仏殿、方丈と禅寺らしく直線で並んでます)。百観音は江戸時代に裏山へ奉安したもので、明治時代に整備され、松嶺院の地内から方丈の庭園へと移されたそうです。

 

 円覚寺の坐禅会に通うようになってからは、まだ1度ものぼっていない見晴らし茶屋(弁天堂)方面。小学生の頃は軽く駆け上っていた石段ですが、見上げただけでパス…。暑さのために今日も無理と思っていましたが、三十三観音めぐりの達成感からかハイテンションで、石段が写真の倍以上あると覚えておらず、上り始めました。   国宝の洪鐘(おおがね)。迫力の大きさ。石段のハードさに息切れしたまま見上げてました。

 

 石段をあがると正面にある(洪鐘の向かい)弁天堂です。61年に1度ご開帳されるとか。  見晴らし茶屋からのながめです。遠くに東慶寺が見えます。見晴らし茶屋の雰囲気も涼しげ。小学生の時に来た時から変わってない感じがします。ゆずジュース(400円)でひといき。冷たさと甘さとほろ酸っぱさが絶妙、生き返りました。

  

  

 霊場めぐりの納経帳は棺に一緒に入れてもらうと極楽浄土へ行けるそうです。  せっかくなので円覚寺のご朱印もいただくことにしました。拝観料を払ってすぐのところに納経受付所があります。写経はもう持ってなかったので印だけお願いして、近くのベンチで待ちました。鎌倉三十三観音とは別に、新たな納経帖を購入。円覚慈雲師の文字は癒し系ですね。

    
 はじめての霊場めぐり、33ヶ所に要した時間は11ヶ月、全10回。輪袈裟やお数珠を用意しての納経・写経も正しい作法をしている自信がないままでした。願がかなうとかご利益はわかりませんが、参拝の心持ちや出会いは得たものがいろいろある気がします。

 納経:300円、釈迦如来納経300円 拝観料:円覚寺300円、仏日庵100円 
 お賽銭:40円(仏殿・札所・開基廟・黄梅院) 2008年7月28日(月)
    

 

 精進落しに、東慶寺から建長寺方面斜め向かいにある「鉢の木」の、精進料理しかあつかっていない北鎌倉店へ行きました。お座敷もありますが、道路に面したテーブル席で、お手頃価格と評判の「桂」3,465円をいただきました。
 南瓜といんげんのかき揚げがとてもおいしかったので小鉢と揚げ物が多い「桂」にしてよかったです〜。素材の味を生かした上品な味付けという評判通り、お店の雰囲気もきれいで親切、とてもいい感じでした。写真はパンフのもの、今は夏野菜がメインでした。


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